理研シンポジウム
生体力学シミュレーション研究
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理化学研究所で平成11年度から5年計画で「生体力学シミュレーション研究プロジェクト」を発足し、平成15年度まで続きました。この間、いろいろな方々の協力と直接このプロジェクトを担当した研究員の努力で、数々の成果を出すことができました。このことはプロジェクトの評価委員会で評価され、更に5年間、プロジェクトを進めることができるようになりました。これにより、昨年4月から生体力学シミュレーション研究プロジェクトも第二期に入っています。この第二期では、第一期で取りかかりつつ、やり残した実用化部分は引き続き、開発を続け、臨床応用を目指します。さらに、第一期での反省点を生かし、人体を全体として取り扱うことを目指しています。具体的には、全ての臓器を含んだ人体全体をMRIやCTを用いてモデル化すること。そして、それらの間の力学的な相互作用や超音波の伝達、熱輸送などを計算可能とすることを目指します。このような技術を開発すると、超音波やRFを用いた治療をシミュレーションすることや、エコノミークラス症候群につながる深部大静脈の圧迫による停留、床ずれの防止など、さまざまな応用が考えられます。最終的な目標に向けて、第二期のプロジェクトが走り出したばかりではありますが、この一年間の進展をここにまとめました。理化学研究所にいる研究者ばかりではなく、他の多くの方の協力を得ておりますが、更に多くの研究者、医学関係者の参加を期待しております。各種のデータ提供や共同研究など、可能な限り協力して参りますので、ご連絡ください。
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プログラム
2005年3月8日(火)
独立行政法人理化学研究所:鈴木梅太郎ホール
開会の挨拶(10:00)理化学研究所 生体力学シミュレーション特別研究ユニットリーダー 姫野龍太郎
10:05〜10:35 生体力学シミュレーション研究第2期の目指すこと
理化学研究所 生体力学シミュレーション特別研究ユニット 姫野龍太郎
10:35〜11:15 ものつくり情報技術統合化研究プログラムと生体力学シミュレーション研究
理化学研究所 ものつくり情報技術統合化研究プログラム 牧野内昭武
11:15〜12:00 脳動脈瘤における血流-血管壁の連成解析
東京大学生産技術研究所 大島まり
昼食(12:00〜13:00)
13:30〜14:30 マイクロバブルを利用した超音波による腫瘍凝固壊死療法の基礎的検討
東京大学大学院医学系研究科・医学部消化器内科 丸山稔之
14:30〜15:00 生体力学シミュレーションのための人体モデル構築
横田秀夫(理研)、中村佐紀子(理研)、西村将臣(理研)、姫野龍太郎(理研)
15:00〜15:30 生体組織の力学的性質評価を目的としたgradient echo法の信号特性評価
加藤陽子(理研)、姫野龍太郎(理研)
15:30〜16:00 Investigation
of Human Whole Body Motion Using a Three-Dimensional
Neuromusculoskeletal
Model
長野明紀(理研)、深代千之(東京大学)、姫野龍太郎(理研)
休憩(16:00〜16:15)
16:15〜16:45 脳血管内治療シミュレータの開発
深作和明(碑文谷病院脳神経外科・理研)、山村直人(理研)、姫野龍太郎(理研)、Cristian TEODOSIU(理研ものつくりV-CAD)、根來眞(藤田保健衛生大学脳神経外科)、小西善史(杏林大学脳神経外科)、奈良一成(碑文谷病院脳神経外科)、塩川芳昭(杏林大学脳神経外科)
16:45〜17:15 FEM数値シミュレーションによる強膜バックリング術後屈折変化の検討および網膜剥離パターン生成、眼球モデル構築方法の提案
孫智剛(ASTOM)、牧野内昭武(理研)、矢部比呂夫(東邦大学・理研)、姫野龍太郎(理研)
17:15〜17:45 骨細胞によるメカノセンシングを考慮した骨梁リモデリングの数理モデルとシミュレーション
安達泰治(京都大学・理研)、尾迫 佑樹(京都大学), 田中 基嗣(京都大学),
北條 正樹(京都大学)
17:45〜18:15 擬似吸気時における細気管支の変形
世良俊博(高輝度光科学研究センター、理研)、上杉健太郎(高輝度光科学研究センター)
八木直人(高輝度光科学研究センター)
閉会の挨拶(18:15) 理化学研究所 生体力学シミュレーション特別研究ユニットリーダー 姫野龍太郎
懇親会(18:30〜20:00)広沢クラブ